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「共食」をして心と身体を健康に

  • 1 日前
  • 読了時間: 5分
共食をしている様子

(最終更新日:2026年2月14日)


「共食」という言葉を知っていますか


もしかしたら家庭科の授業で習った!という方がいらっしゃるかもしれません。

意味は文字通り「共に食べる」です。

家族や友人など自分以外の誰かと食事を共にする「共食」(1)は皆さんの心と身体を健康にし、生活を豊かにしてくれます。

ここからは人生における食事シーンを振り返りながら「共食」について考えていきたいと思います。



〇子ども時代の「共食」


生きている中で誰かと食べる機会が一番多いのは子どものときではないでしょうか。この頃の食事シーンの中心は家庭です。家族で食卓を囲む「共食」には子どもにとって様々な利点があることが報告されています。


① 健康

家庭での「共食」は子どもの健康を支えています

例えば朝は家族と一緒に食事をすると決めれば、一人で食べるより強制力が伴い、おのずと朝食を食べることが当たり前となります。その結果排便も促進され、一日を健康的にスタートできます。

また規則正しい食事時間は充分な就寝時間の獲得にもつながり、日々の生活スタイルが整います。さらに家庭での「共食」の頻度が高い子どもは好き嫌いが少ない傾向にあることも報告されています。このような「共食」から形作られた生活習慣が継続されることで健康の促進につながるのです。


② 社会性

対人技術や言語的な理解にも「共食」は良い影響を及ぼします

例えば何かを取って欲しいとき、どんな風に言ったら相手は気持ちよく取ってくれるだろうと言い方を工夫しますよね。かつて親から注意を受けて気を付けようと意識した人もいると思います。こうした共食での何気ない家族のやり取りが相手の気持ちを考えることにつながったり、思いやりを持って行動をするきっかけになります。これから無限に広がるであろう対人関係の土台となる役割を「共食」が担っているといっても過言ではありません。


③ 幸福度

さらに「孤食」が多い子どもと比べ、食事時間を楽しむことができ、食事をおいしいと感じる子どもの割合が多いようです。家族と味の感想を言い合い、おいしさを共有できる環境が幸福感を創出し、食事の満足度を何倍にも高めているのではないでしょうか。


このように家庭での「共食」人間としての形成期である子ども時代に大変重要な役割を果たしていることがわかりました。正しい生活習慣を身につけること、自分の中で居場所だと思える場所が見つかることはその後の人生に安定感をもたらし、困難に立ち向かう力となることでしょう。(2)




〇成人後の共食


大人になるにつれて食事は多様化していきます。

幼少期、小学校、中学校の頃と比べ、ルールに縛られない自由な食事を各々がしている一方で、「共食」の頻度は低下してしまっているのが現状です。


部活、趣味、仕事の忙しさから家族との時間が合わなかったり、一人暮らしをするなどしてそもそも家庭での「共食」の機会が失われたり、、、

さらに近年では世帯構造の変化から高齢者の「孤食」も増えています。家族以外の友人・知人と食事をする機会もありますが、毎日は叶いません。


こうした状況を踏まえた上で、どの世代にも共通して言えるのは「共食」が健康意識の向上うつ病発症リスクの低下主体的健康感の向上と関連しているということです。自分一人では気を使わない食事も誰かがいれば何品か用意しよう、なるべく体に良いものを使おうという意識が芽生えます。仕事や何か作業をしていてもみんなで食事をしようと集まれば自然と会話が生まれ、その結果お腹だけでなく心も満たされます

そういった意識、食事の満足感が日頃の生活にも影響し、自分は健康だという前向きな気持ちを持つことに繋がります。「共食」は身体的健康だけでなく心の健康も支えているのです(2)


パートナーと食事をしている様子


〇高齢者施設での共食


上で成人後の共食について触れましたが、高齢者施設での状況は少々異なります。


施設により食事事情は変わってくるものの施設に入ることにより「共食」が困難になる場合も多いようです。多世代交流会で高齢者施設に伺う際は昼食をご一緒することがほとんどですが、食べているときに「みんなで食べるのは嬉しい!」、「久しぶりにこんなに楽しい食事をした!」という言葉をかけてくださいます。

温かい言葉にこちらも嬉しくなりますが、ここからも普段の食事が毎回満たされるものではないことがわかります。いつもは食事を残してしまいがちな入居者の方も会話をしながら一緒に食べることで食事がはかどったり、「これおいしいですね!」などと食事の感想を言い合うことで食べる意欲が増すなど「共食」による利点はたくさんあります。


高齢者施設で子供と高齢者が食事をする様子

そのため毎食「共食」が実現できることが一番ですが、職員さんの負担などを考えると難しいのが現状です。



〇「共食」の機会


こうして様々な食事シーンを振り返ってきましたがいかがでしたでしょうか。


年代によって食事は変容しますが、「共食」はどこにおいても心と身体に良い影響を与えていることがわかりました。

「共食」の機会を増やすことは中々難しいことだと思いますが、まずは家庭の食事を見直すことから始めましょう。週に〇回は家族で食べると決めるのも良いかもしれません。また羽を伸ばして子ども食堂や多世代交流会に訪れてみるのも良いでしょう。



子どもから高齢者の方まで集まる機会は新鮮で普段は関わりの少ない世代の方と会話をすることできっとあなたの心を満たし、相手の心も満たされるはずです。




〇参考

(1)農林水産省 消費・安全局 消費者行政・食育課 食育計画班「食育の推進に役立つエビデンス(根拠)(1)共食をするとどんないいことがあるの?」.農林水産省.https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/evidence/togo/html/part4-1.html,(参照 2026-02-11)

(2)農林水産省 消費・安全局 消費者行政・食育課 食育計画班(2019).「共食に関するエビデンステーブル」.農林水産省.results_kyosyoku.pdf(参照 2026-02-11)

(3)木村駿介、廣野正子、坂内くらら、大石和男(2021).「高齢者施設における介護職員と利用者の食事介助時の共食に関する質的検討」『日本家政学会誌』vol72,No.9,pp.601~608.https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhej/72/9/72_601/_pdf/-char/ja(参照 2026-02-11)

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