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高齢者との関わり方についてー福祉心理学の視点からー

  • 4 日前
  • 読了時間: 5分
高齢者と若者が話す姿


 皆さんは高齢者とお話しした際、話しかけても反応がない、同じ質問を繰り返しされたなどの経験はありますか?

 どうやって会話をすれば良いのだろうと関わることに対して難しさを感じた人も多いと思います。

 実はこうした高齢者の行動の背景には自然な理由があります。


困った場面の例を示す図。中央に高齢者と女性が悩んだ表情で座り、周囲に「混乱している」「参加に抵抗感」などの吹き出しがある。

 

このブログでは高齢者の特徴を整理し、どのように接することが大切かを記しています。

 高齢者とお話しする際の参考となれば幸いです!



1.年を重ねることで現れる特徴


 まずは高齢者にどのような特徴があるのか整理してみましょう。


高齢者の特徴をまとめた日本語スライド。心理的・生物的・社会的側面の低下や、聴覚・視覚・孤独感の課題を図とともに示す。

①心理的側面

希望や欲求が満たされにくい

・意欲や気力が低下しやすい

新しい状況に適応することが困難

・昔得た経験・知恵を使うことは得意なまま


②生物的側面

・雑音が多い中での会話が困難

・色や模様、動いているものの認識が難しい

・見える範囲が狭くなる


③社会的側面

・配偶者を亡くしていたり仕事など役割を喪失していたりして

 孤独や生きがいのなさを感じている


 学生・社会人である今の私たちからはなかなか想像しがたい変化が現れることがわかります。

 ただ、このような特徴を知っておくだけでも高齢者の行動を素直に受け入れる姿勢につながるのではないのでしょうか。



2.高齢者施設に入居されている方について


 続いて高齢者の中でも特に施設に入居されている方についてのお話です。


◯入居条件となる要支援・介護状態

 支援が必要な状態によって日常生活動作は基本的なもの(基本的日常生活動作)と手段的なもの(手段的日常生活動作)に分けられます。

 これらは高齢者や障害を持つ方の身体能力や日常生活レベルを図るための指標として用いられます。(1)


 高齢者施設に入居されている方は買い物や家事などに支援が必要な手段的日常生活動作が困難な場合が多いです。

 ただ程度が様々で個人差があることは理解しておくべき点です。


要支援・要介護状態と、基本的日常生活動作・手段的日常生活動作の関係を示す日本語の表。介護度I〜V、○△×で支援内容を整理した図

◯認知症について

 入居されている方の中には繰り返し同じことを聞いたり、状況がわからず混乱されていたりなど日常的に認知症の症状が現れている場合もあります


 認知症の症状には記憶障害や失語・失行・失認など脳機能の低下を直接示す症状である「中核症状」と「中核症状」により引き起こされ行動や心理に現れる症状である「周辺症状」が存在します。(2)


 このうち「周辺症状」は周りの働きかけにより変化が起こることもあります。


認知症の周辺症状と中核症状を示す図。橙色の円に、行動症状・心理症状・中核症状の項目が日本語で並ぶ。


3.障害の考え方


これまでは障害に対する国際的な分類として「国際障害分類(ICDH)」が用いられてきました。(3)


国際障害分類(ICDH):

社会的に不利な条件について疾患が原因となって機能や能力を妨げているとする考え方


しかしこの分類ではネガティブなところにのみ焦点をあてるのが問題となっていました。

そのため新たに世界の共通認識となったのが「国際機能分類(ICF)」です。


国際機能分類(ICF):

健康状態を総合的に判断する考え方


全ての要素は相互に影響していると捉え、環境要因も含めて考えるのが特徴です。

ポジティブに関わる上ではこちらの方が役に立っています。


ICIDHとICFの比較スライド。左に疾病→機能障害→能力障害→社会的不利、右に健康状態・活動・参加・環境因子の図と説明文。


4.活用法


ここまで高齢者が持つ特徴や周辺情報について知識を深めてきましたが、ここからは実際に接する際のポイントをお伝えします。


白地のスライドに「できること」。①分かりやすさ ②悪い影響を与えない ③良い影響を与えると、説明文が並ぶ。

①分かりやすく

 視覚・聴覚の特徴から誰が話しているかわからない、周囲の雑音で聞き取れないといった状況にあることが考えられます。そのため視界に入って話す文節ごとに区切るなどを意識すると相互にコミュニケーションが取りやすくなります。


②悪い影響を与えない

 環境要因に健康状態や認知症の症状の程度が左右されるため、ネガティブな影響を与える状況をなるべく避けることが大切です。

 必要以上の手伝いやうっかりのため口が相手の行動範囲を狭めてしまったり、尊厳を傷つけたりしてしまうことを念頭に置き、長い人生経験に敬意を持って接すること個人差を理解することを意識しましょう。


③良い影響を与える

 関わり方など環境を工夫することで潜在的にできることを引き出せたり、支援を借りてできることの幅を広げたりすることができます。例えば人生の中で得られた知識や経験を実際に検証するなど役割を持ってもらうことで生活に刺激を与えられるかもしれません。



 このブログでは高齢者に関する基本的情報からその活用法までを見てきました。

ここで得られたことを参考にぜひ高齢者とお話してみてください。


 CORUNUMの活動では多世代交流会を通して高齢者と関わる機会もあるので、ご興味があればぜひ参加してみてください!




参考


(1)公益財団法人 長寿科学振興団体(2022-04-27).「自立生活の指標:日常生活動作(ADL)とは」.健康長寿ネット.自立生活の指標:日常生活動作(ADL)とは | 健康長寿ネット

(参照2026-04-13)

(2)厚生労働省.「認知症の中核症状と周辺症状」.canva.com/?msockid=3358c43975d7652a22aad06a743d6493 (参照2026-04-13)

(3)厚生労働省社会・援護局 障害保健福祉部 企画課.「「国際生活機能分類-国際障害分類改訂版-」(日本語版)の厚生労働省ホームページ掲載について」.「国際生活機能分類-国際障害分類改訂版-」(日本語版)の厚生労働省ホームページ掲載について

( 参照2026-04-13)


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