SDGsセクション2〜日本に潜む飢餓〜
- 【NPO法人CORUNUM】 HP事業担当者
- 6月14日
- 読了時間: 6分
皆さんこんにちは!NPO法人CORUNUMの品川邑那です。
今回は、SDGsシリーズの第二弾「飢餓をゼロに」という目標について、今私たちができることに着目して紹介していきます。
はじめに
飢餓という言葉を聞いたことがある人は多くいらっしゃるかと思います。
では、飢餓課題を改善させようと行動したことのある人はどれだけいるでしょうか。
国連食糧農業機関(FAO)など国連の五つの専門機関が発表した報告書「The State of Food Security and Nutrition in the World 2024(世界の食料安全保障と栄養の現状、SOFI)」では、2023年に世界で飢餓に直面した人の数が約7億3300万人にのぼるされました。
国別に見ると、アフリカでは5人に1人が飢餓に陥っており、このままではSDGsの達成期限である2030年時点には約5億8200万人が飢餓に陥ると予測しています。
『SDGs』と聞いて、しつこいなと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、SDGsの全ての目標は、国や政府だけで達成できるものではありません。国民皆の理解と協力が必要不可欠なのです。
「飢餓」とは
SDGs目標2「飢餓をゼロに」とはどんなものかご存知ですか?
飢餓とは、長期間にわたり十分に食べられず、栄養不足となり、生存と社会的な生活が困難な状態をさします。また、摂取したカロリーだけでなく、栄養素などの「質」も重要*1になるそうです。
上記の深刻な飢餓問題を解決するために設定された目標については、下記のサイトをご参考ください。https://www.unicef.or.jp/kodomo/sdgs/17goals/2-hunger/
この目標2では、農業や国際的な食料の分配などによって全ての飢餓を減少させることを目指しています。
日本に潜む飢餓
では、皆さんは「飢餓」と聞いてどんな状況を想像するでしょうか。
発展途上国に住む子ども達がご飯を食べられない様子を思い浮かべるでしょうか。
皆さんがなかなか課題解決に向けて行動できない原因の一つとして、問題が身近でないことがあるかと思います。そんな皆さん、日本にも飢餓があることをご存知でしょうか。
現在日本では、相対的貧困層の飢餓が問題となっています。相対的貧困に関しては、以下の記事を是非ご覧ください。
日本に潜む飢餓で最も重大とされていることは、子どもの飢餓です。大人に比べて体力の無い子どもは、飢餓によって命を失う可能性が高いのです。
また、栄養不足は発達阻害にも繋がり、子供達は飢餓によって身体的にも精神的にも深刻な影響を受けます。また、この影響は貧困の連鎖にも繋がります。
では、この重大な問題を解決するためにどのような取り組みが行われているでしょうか。
子ども食堂は飢餓から子どもを救う?
「子ども食堂」という単語を聞いたことはあるでしょうか。
現在、開催箇所が1万箇所にも上る子ども食堂は、子どもたちに無料または低額で食事を提供し、温かい団らんの場を設けることを目的に設置され、特に、経済的な事情で十分な食事を摂れない子どもや、孤食の子どもたちを対象としています。
これだけ聞くと、子ども食堂は子どもの飢餓改善に大変画期的かのように思いますよね。
しかし実際には、これらの子ども食堂のあるべき姿とは異なる取り組みになってしまっているところが多くあるのです。
皆さんは先程、「子ども食堂」と聞いて何を思い浮かべましたか?家ではご飯の食べられない子が行く場所。かわいそうな子が行く場所。などと考えた方はいませんか?
実は、この考えが子ども達を苦しめることになっているのです。
「あそこ(子ども食堂)に行ったらかわいそうな子だと思われるかも…」と思い、本来足を運ぶべき子どもが行けなくなってしまっているのです。届けなければいけない支援が届かなくなっているのです。
では、どうすれば良いのでしょうか。
飢餓改善の第一歩として、皆さんに子ども食堂のイメージを変えていただきたいです。
子ども食堂の中には親や地域の高齢者が参加している場所があったり、食事の提供だけでなく、学習支援の場になっていたりと多様な支援が存在します。そのため、現在の子ども食堂は単に貧困のためのものではなく、地域のコミュニティ形成や子どもたちの成長の場になっているのです。そんな場所が、より使いやすく、より多くの人々に広まって欲しいと考えます。
もし、子ども食堂はかわいそうな子どものための場所だと思っていた方は是非、新たなイメージを持っていただけると幸いです。この考えだけで苦しんでいる子ども達を救うことができるかもしれません。
弊団体NPO法人CORUNUMでは東京近郊を中心に、定期的にこども食堂を開催しています。詳しくは以下の記事をご覧ください。

もっと私たちにできること
先程は、子ども食堂のイメージを変えることが支援につながるのではないかとお話ししました。そろそろ、もっと他に飢餓に関する社会貢献がしたくなった頃だと思いますので、私たちにもっとできることを説明していきます。
まずは、フードロスを無くすことです。フードロスを減らすことで、その分を飢餓に苦しむ人々への食料支援に回すことができます。皆さんのご家庭には、1年間でどれくらいの廃棄食品があるでしょうか。食べ残しや使いきれなかった食材、賞味期限切れなど、様々な食品を捨ててしまっているかと思います。
他にも、廃棄食品を無くすことで、飢餓への貢献だけでなく、環境問題にも良い影響を与えることができます。
いくら頑張って意識をしても廃棄物を全く無くすことは不可能であると思います。そこで、フードドライブへの寄付をおすすめします。フードドライブとは、家庭で余った未使用の食品を、食品を必要とする福祉団体や子ども食堂などに寄付する活動です。
各地域に設置されているため、お近くのフードドライブを検索してみてください。
最後に
冒頭でも説明した通り、飢餓に関わらず、社会問題解決のためには問題を他人事だと思い込まないことが大切です。先ほど述べたように、子ども食堂も私たちの思いこみの1つが人々を苦しめることになっていました。どうか面倒だとは思わずに、自分には関係がないと思わずに、私たち皆で社会をより良くしていきませんか?
確かに、フードロスを無くしたり、フードドライブへ寄付をしてもその効果が私たちには目に見えません。効果や現状が目に見えないと支援に果たして意味があるのか、自分一人の行動に効果はあるのか不安になりますよね。私もボランティア活動をしている身として、この考えに深く共感します。
そこで大切にしている考えは、「自分はなぜこれをしているのか?」という問いです。私は、「誰かのためになりたい」この思いでボランティア活動をしています。自分の行動の結果が見えなくても、この信念を持ち続け、自身の行動は役に立っているのだ!と信じることが社会貢献活動を行う上で重要なのだと考えます。
このように考えていると、社会貢献活動は自己満のものであるように思えてきますが、ある程度の自己満足の要素は必要なのかもしれません。
社会を悪くしたい、と考える人はいないと思います。皆さんが、社会のために!と日々少しでも行動するようになるときっと社会は変わるのでは無いでしょうか。
私はそう信じて、これからもボランティア活動を行っていきます。是非皆さんも一緒に社会を考えていきませんか?
参考サイト
弊団体では様々な場所でこども食堂を開催しています。高齢者施設においてレクリエーションの一環として開催されるこども食堂の企画運営を高校生や大学生が中心となって行っており、この交流会に参加される方々を随時募集しています。詳しくは以下のページよりご覧ください。小学生から大学生まで幅広く募集中です。