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誰もが向き合うべき認知症ー理解から始める共生社会ー

  • 執筆者の写真: 【NPO法人CORUNUM】 HP事業担当者
    【NPO法人CORUNUM】 HP事業担当者
  • 2 日前
  • 読了時間: 6分

 

認知症の理解から共生社会の実現へ

この記事のまとめ

「認知症の代表的な症状」やその「具体事例」と「向き合い方」を,介護士の視点から紹介しています。


皆さんこんにちは!NPO法人CORUNUMです。


 突然ですが皆さんは、自分が認知症になったら…という想像をしたことがあるでしょうか?


 家族の名前が思い出せなくなる。駅から自宅への帰路がわからなくなる。などなど。想像してみるとどうですか?


 今までできていた当たり前の生活ができなくなることは怖いですよね。


今回は、そんな認知症との向き合い方について、現役介護士の私と考えていきます。



1 認知症と向き合う


 厚生労働省によると、2022年時点では、およそ443万人が認知症を発症しており、これは、高齢者の8人に1人の割合です。


つまり、あの恐ろしい病気は、誰もが発症しうる病気なのです。


 さらに認知症は、完全に予防をすることが難しい病気です。よく生活習慣を整えたら良い。だとかパズルや勉強をして、脳を使い続けると良い。とか聞きますが、これらは、認知症のリスクを低下させるものであり、認知症にならなくなるためのものではありません。


どれだけ毎日健康的な食事をとって、運動を続けていても認知症になる人はいますし、毎日脳を使い続けているお医者さんでも認知症になります。


 では、誰がいつ発症するかわからない病気と向き合うために重要なことは何でしょうか?


 私は、「認知症に対する人々の理解」だと考えます。


 皆さんの中にも、認知症は人に迷惑をかけるからなりたくない。と考える人がいるのではないでしょうか。しかし、「認知症に対する人々の理解」が世の中に定着したらどうでしょう?少し認知症と向き合いやすくなると思いませんか?



2 認知症の症状は?


 「認知症に対する人々の理解」を定着させるため、まずは認知症の症状を理解することが必要です。


認知症の症状まとめ

  認知症の症状は、単に「物忘れが増える」ことだけではなく、記憶・判断・感情・行動・生活全体にさまざまな変化が現れるのが特徴です。


 まず代表的なのが記憶障害で、特に新しい出来事を覚えられなくなります。たとえば、食事をしたこと自体を忘れたり、同じ質問を何度も繰り返したりします。


 次に見当識障害があり、時間や場所、人が分からなくなることがあります。今日は何日か、ここはどこか、目の前の人が誰なのかが分からず、不安や混乱につながります。


 判断力や理解力の低下も重要な症状であり、買い物の計算ができなくなる、危険な状況を判断できなくなるなど、日常生活に支障が出ます。また、段取りを考えて行動することが難しくなり、身支度や家事がうまくできなくなることもあるようです。


 さらに、感情や性格の変化が見られることもあり、怒りっぽくなる、不安が強くなる、抑うつ的になるなど、本人の意思とは関係なく感情が不安定になる場合があります。このような人格の変化は周囲から誤解されやすいが、病気による変化です。


 そのほか、幻覚・妄想徘徊昼夜逆転などの行動・心理症状が現れることもあり、本人だけでなく家族や周囲にも大きな影響を与えます。


一方で、認知症になっても感情や人としての尊厳は失われず、安心感や信頼、喜びを感じる力は残っており、記憶障害の中でも昔の出来事や感情を伴う記憶は比較的保たれることが多いです。


これらを踏まえて、実際の認知症の症状の例を見てみましょう。


ケース1:


 私が深夜2時にふと目を覚ますと、自宅の寝室で寝ているはずの認知症の母親が、寝室にいなかった。暗い中一人で歩き、事故にあったらどうしようと心配し、母親を探した。母親のかかりつけの病院や、事故の心配がある近所の踏切を探し回ったが、見つからなかった。ぐるぐると近所を探していると、誰かが私の名前を叫んでいる声がする。もしやと思い、その声の方へ走って行ってみると、母親だった。母親は、私が子どもの頃通っていた幼稚園の前にいた


 この例には、認知症の症状とみられる行動が複数あります。まずは、寝ているはずの母親が寝室にいない。という点です。これは、認知症の徘徊の症状です。


次は、母親の徘徊先が私の通っていた幼稚園だった。という点です。これは、記憶障害の中でも昔の出来事の記憶は保たれるという特徴が現れています。また、幼稚園の前で私の名前を叫んでいた。という点も認知症による性格の変化によって起きた出来事かもしれません。


 認知症ではない私たちには、理解できないような行動も、一つ一つ詳しく見ていくと、どんな症状が出ているのかを理解することができます。




3 認知症の方との関わり方


 症状が理解できたら、より良い関わり方を知る必要があります。


認知症の方と関わる際のポイント

 

 認知症の方々は、同じ話を繰り返し話したり、いきなり暴力的になったりするため、症状は理解できても適切な対応をすることは簡単ではありません。


 認知症の方と接する際に最も大切なのは、相手を「認知症の人」としてではなく、一人の人として尊重する姿勢です。記憶や判断力に障害があっても、感情や人としての尊厳は保たれているため、安心できる関わりがその人の生活の質を大きく左右します。


 まず、基本となるのは、否定しない・急かさないことです。話の内容が事実と異なっていても、頭ごなしに訂正すると不安や混乱を強めてしまう可能性があるため、相手の気持ちに共感し、「そう思ったんだね」「不安だったんだね」と感情を受け止めることが重要です。


 次に、穏やかな態度と分かりやすい伝え方を心がけましょう。ゆっくりとした口調で、短く簡単な言葉を使い、必要であれば身振りや表情も交える。大きな声で話すのではなく、目線を合わせて話すことで安心感を与えることができます。


また、できないことに注目するのではなく、できることを尊重する姿勢も欠かせないようにします。すべてを手助けするのではなく、本人ができる部分は見守り、成功体験を積めるよう支援することが自尊心の維持につながります。


 さらに、安心できる環境づくりも重要で、生活リズムを整え、馴染みのある物や場所を大切にすることで、不安や混乱を軽減できます。感情は周囲の雰囲気に影響されやすいため、介護者自身が落ち着いていることも大切です。




4 まとめ


 認知症は誰にでも起こりうる身近な病気であり、完全な予防が難しいからこそ、社会全体の理解が重要です。


認知症の症状は物忘れだけでなく、記憶・判断・感情・行動など生活全体に影響を及ぼしますが、感情や人としての尊厳は失われません。具体的な事例を通して、行動の背景にある症状を理解することで、認知症の人の行動は決して「意味のないもの」ではないと理解することができます。


 また、認知症の方との関わりでは、否定せず、急かさず、一人の人として尊重する姿勢が大切になります。認知症を正しく理解し、安心して暮らせる環境を整えることが、認知症を受け入れる社会への第一歩であり、私たちが認知症になっても守られる社会を作ることができます。


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