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民俗芸能を知り、つなぐ。文化から始まる町おこし

  • 執筆者の写真: 【NPO法人CORUNUM】 HP事業担当者
    【NPO法人CORUNUM】 HP事業担当者
  • 13 分前
  • 読了時間: 5分

こんにちは!NPO法人CORUNUMです。


新年あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。

正月休みは充実した時間を過ごせましたでしょうか。


さて、今回のブログではこれまでの話題とは少し趣向を変えて、「民俗学」そしてそこから生まれる「町おこし」についてお話させていただこうと思います。



1.はじめに


冒頭でお伝えした「あけましておめでとうございます」。年を越したら口にするのが当たり前の挨拶だと思います。

実は、そんな当たり前の習慣も民俗学の研究領域なんです!


突然そんなことを言われても、と思っていらっしゃる方もいるかもしれません。

皆様、現在放送中の連続テレビ小説『ばけばけ』をご存知でしょうか。

毎日楽しみに見ている、というファンの方もいらっしゃるかもしれませんね。

実は、その登場人物であるヘブン先生に主人公トキが怪談話を聞かせるあのシーン、あれこそが民俗学において重要視される「フィールドワーク」なんです。


民俗学は皆様の身近な部分に潜んでいます。


次は民俗学とはなにかについてお話させていただきます。


2.民俗学とはなんだ?


簡潔にいうと、

民俗学とは一般市民の生活をよりよくするために生まれた学問です。

その祖は柳田国男という、もとは日本の官僚だった人です。優秀な彼が地方へ行き、調査三昧の日々を送るようになったのには一般市民の生活を真に理解し、その上で人々の生活をよりよいものにしたいという思いがありました。

危篤の妻を置いて樺太へ旅立ったり、田山花袋や国木田独歩らとの交流など沢山の興味深いエピソードを持つ彼ですが、それはまたの機会に。


民俗学と聞いて、妖怪や幽霊、怪談などを研究する怪しい学問だなんて思っていた方もいるかもしれません。しかし、それは大きな誤解です。


その地域だけの特殊な生活形態や価値観を記録する、それが民俗学の大きな役割のひとつです。


3.町おこしについて


次に町おこしについてです。

地方における人口流出、それに伴う過疎問題は日本に住む誰もが耳にしたことのある大きな問題であると思います。


最近では、それらを防止するために大規模な開発が行われ町の景色が一新された例も少なくありません。

私の近くの商店街も、長年にわたり愛されてきたにも拘わらず、開発計画によってその姿が消されそうになっています。


大規模な開発。それは最も望ましい形なのでしょうか?

これらを巡って、地元住民から大きな反発が起こる例も多くあります。

もちろん、大規模な開発によって商業施設が増えて住みやすくなった街も多くあります。

しかし、『平成狸合戦ぽんぽこ』などで語られてきたように、古くからの伝統や馴染みの景色が失われ嘆き悲しむ人も多くいるのが現状です。


古き良き伝統。これらを守ることは町おこしにおける足枷などでは決してありません。

次にそのことについてお話させていただきたいと思います。


4.町おこしと民俗芸能―持続的な社会を作り上げるために


では、民俗学の視点は町おこしとどのように結びつくのでしょうか。その鍵となるのが「民俗芸能」です。


民俗芸能とは、祭りや年中行事、信仰と結びつきながら地域の中で受け継がれてきた芸能のことを指します。獅子舞や神楽、盆踊りなどがその代表例でしょう。


これらは決して「見せるためだけ」に存在してきたものではありません。豊作を祈る、災厄を払う、人と人をつなぐ。そうした生活に根ざした願いの積み重ねが、形となったものなのです。


神奈川県三浦市南下浦町菊名地区では「飴屋踊り」という、年に一度10月23日になると行われる民俗芸能があります。

かつて地域の若者衆を中心に行われてきた飴屋踊り。その伝統は一時途切れてしまったことがあります。

伝統を引き継いだのは、当初は踊ることを禁じられていた女性の方々でした。

主に子育て世代の女性が引き継いだこの芸能は、元々その土地で生まれ育った方も嫁入りしてきた方も、移住してきた方も、分け隔てないコミュニティをつくる大きなきっかけとなったのです。


また、民俗芸能は観光資源としての役割を果たすこともあります。 京都祇園祭や長浜曳山祭などは、民俗芸能を中心に行われる世界に誇る大きな祭りです。 他にも安芸高田神楽など、地域に根差した芸能が多くの人々を惹きつけています。 これらの祭りは単なる観光イベントではなく、土地の歴史や人々の暮らしが今も息づいていることを示す存在であり、地域の魅力を内外に伝える重要な役割を担っているのです。


 民俗芸能は、特別な設備や莫大な資金がなくとも、人と人とのつながりによって長く受け継がれてきました。そこには「無理をしない」「身の丈に合った形で続ける」という知恵が詰まっています。

 これは、現代社会が目指すSDGsの考え方とも重なる部分ではないでしょうか。


 また、民俗芸能の継承には必ず「教える人」と「学ぶ人」が存在します。世代を超えた関わりが生まれ、地域内のコミュニケーションが自然と活発になるのです。こうした関係性は、数値では測れないものの、町の活力を支える重要な基盤となります。


 町おこしにおいて大切なのは、無理に新しいものを作り出すことではなく、すでにそこにある文化を見つめ直し、生かしていくことです。


文化から始まる町おこしは、持続的な未来への一歩なのだと考えております。


5.さいごに

 ここまで、民俗学と町おこし、そして民俗芸能についてお話してきました。

民俗学が見つめてきたのは、名もなき人々の生活と、その積み重ねでした。 民俗芸能もまた、そうした日々の営みの中から生まれ、受け継がれてきた文化です。


 町おこしを考えるとき、私たちはつい「新しい何か」を求めがちです。しかし、すでにそこにある文化や記憶に目を向けることも、ひとつの大切な選択だと思います。 民俗芸能を知り、つなぐことは、町の過去と現在、そして未来を結び直す行為なのです。

文化から始まる町おこしは、派手さはなくとも、人の暮らしに静かに寄り添い続けていきます。 

 その歩みこそが、町のこれからを支える力になるのではないでしょうか。


参考文献

菊名の飴屋踊り(三浦市ホームページ)

長浜曳山祭について(長浜市曳山博物館)

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